待つ

待つ
待つ

【日本近代文学名作選①】

待つ

著者 太宰治
朗読 長尾奈奈
再生時間 00:07:58
販売開始日 2021/3/2

内容紹介

太宰治(明治42年 – 昭和23年)による短編小説
「省線のその小さい駅に、私は毎日、人をお迎えにまいります。誰とも、わからぬ人を迎えに。市場で買い物をして、その帰りには、かならず駅に立ち寄って駅の冷いベンチに腰をおろし、買い物籠を膝に乗せ、ぼんやり改札口を見ているのです。上り下りの電車がホームに到着するごとに、たくさんの人が電車の戸口から吐き出され、どやどや改札口にやって来て、一様に怒っているような顔をして、パスを出したり、切符を手渡したり、それから、そそくさと脇目も振らず歩いて、私の坐っているベンチの前を通り駅前の広場に出て、そうして思い思いの方向に散って行く。私は、ぼんやり坐っています。誰か、ひとり、笑って私に声を掛ける。おお、こわい。ああ、困る。胸が、どきどきする。」――

配信サイト

聴き方、販売価格、購入方法、決済方法などは、各配信サイトにてご確認ください。

企画/制作 声の書店
協力 株式会社 仕事